住宅は資産価値も、自分らしい暮らしも、どちらも大事! 今回は「土地探し」のコツを伝授します

「そろそろマイホームを」と検討を始めたかたへ。まず考えるのは「どこの土地に住もうかな?」という方も多いと思います。
住宅は土地と建物がセットです。土地だけが良くても、建物だけが良くても自分が望んだ幸せな暮らしは実現できません。
建売住宅や中古住宅をリフォームしようと検討されている方は既に家が建っていますから、そこに住まう自分をイメージしやすいのかもしれませんが、
注文住宅のように土地を購入して家を建てる場合は、土地も建物も選び方をしっかりと勉強しないと失敗するケースも多いようです。
今回、e暮らすホームでは注文住宅をご検討の皆様へお伝えしたい「土地探しのコツ」についてお話いたします。

駅は近いほうがいい?

土地探しのお手伝いをするときに必ず出るフレーズが「駅から徒歩〇〇分以内」というものです。
駅に近いとお店が多く、通勤や通学など利便性や土地の価値もありそうです。
しかし駅に近くても遠くてもそれぞれメリットデメリットがあります。
駅近くは便利だけど道は混むし、ちょっとした食事も並ぶし、かといって駅から遠いと自動車が必要であったり
土地の価値も低くなるのでは?と思われるかもしれません。
どうやら大切なのはその土地の本質を知ることにありそうです。

駅に近いデメリット

駅近のメリットはわざわざお伝えするまでもないと思います。皆さんが思った通りのことがメリットでほぼ間違いないでしょう。
そこで、もしかしたら気が付いていないかもしれない「デメリット」にフォーカスしてまとめてみたいと思います。

①まず、なんといっても金額。駅に近くなればなるほど金額が上がる傾向にあります。
②広い土地は望めない(難しい)かも。土地が大きいと予算的に厳しくなることも。
③電車の音や振動が気になります。
④交通量が多い。車の音、振動、排気ガスなどが気になったり、小さなお子様がいると事故なども気になります。
⑤人通りが多い。せっかく南側の窓を開けたくても人通りが多くカーテンは閉めたままなんてことも。洗濯物も干しづらい!
⑥再開発による環境の変化。いきなりマンションやビルが建ち日当たりが悪くなる可能性も。
⑦軟弱地盤の可能性。駅の施設はある程度の広さの土地が必要になるため、もともと建物などがなかった低い湿地帯や水田などを埋め立てたところも多くあります。

こうしてみてみると、よりよい暮らしのためには「何が何でも駅の近く!」ではなくなりそうです。

駅から遠いデメリット

今度は逆に、駅から遠いデメリットについてはこれもわざわざお伝えするまでもないと思います。
そこで、先ほどとは逆に駅から遠い「メリット」についてまとめてみます。

①金額は下がる傾向になります。予算の範囲で広い土地を選ぶこともできそうです。
②住居系の地域となるために高層ビルなどがなく日当たりなどの環境が良好です。
③まとまった商業施設、商店、病院、学校などは比較的整備されている。混雑も少なく便利。
④公園などがあり、子育て環境に良い。
⑤静かな住環境はストレスのない暮らしを送ることが出来そうです。
⑥駐車場が比較的安く確保しやすくなります。
⑦物価が安い。日用品、食材などは駅近よりはるかに安いスーパーなどが近い!

郊外の住居環境はゆとりのある暮らしが大きなメリットになりそうです。

「駅近VS郊外」はライフプランと資金計画で決着

土地の購入から家づくりを始める方にとって最初に行うことはライフプランをたてることです。
ご自身、ご家族のこれからの暮らしはどう変化していくのか、どんな暮らしを望んでいるのか家族会議を開いてみましょう。おのずと方向性が見えてきます。
次に大事なのが資金計画。ここで間違ってはいけないことが住宅購入の資金計画とは欲しい土地や家を買うためにいくら必要か?を知ることではありません。
今後の皆さんの暮らしがどう変化し、どのようなお金がかかってくるのかを見極め、住宅にかけられる金額を導き出すことです。
ファイナンシャルプラン(FP)を行うことで、正しい住宅資金の計画を立てます。
この計画ができないと予算が足りなくなったり、苦しいローンの返済が続いてしまうので e暮らすホームでは、初めにFP資金計画を行っています。

土地にかけられる費用は理想の家を決めてから

資金計画の中でe暮らすホームではまず皆さんの理想の家をプランニングします。
プランニングといっても実際にプランを作成するのではなく、どのような仕様のどのくらいの大きさの家が理想なのかを決め、予算を組み立てていきます。
これを行わないと、先に購入する土地に予算を大きくとられてしまい、建築費用が足りなくなったり、税金や納付金の経費の支払いができなくなってしまうことがあります。
住宅を購入する際にはどこのハウスメーカーで建てても、支払わなければならない費用(諸経費)をまず確保してから、家の資金を組み立て土地にかけられる費用を逆算していきます。
不動産は土地だけが良くても、家だけが良くても資産価値はありません。土地と建物がバランスよくあってはじめて価値あるものとなります。

土地は60点が最高点!でいい

資金計画を行うと、土地にかけられる予算が思ったより少なくなる方が多いようです。希望の土地がどうしても欲しい!でも予算が足りない…。
ある人は「住宅ローンをもっと借りればよいのでは?」と返せる額を超えてしまいました。
ある人は「じゃあ、建物を安くしよう!」と性能のあまりよくない家を検討しました。
どちらも最初に行った、夢のある家族会議の暮らしをかなえることができなくなる瞬間です。
このような考えで家を建ててしまうと、必ず後悔しますし、35年の住宅ローンが自分の人生に重くのしかかってしまいます。
「予算が足りない!」対策は、「予算で夢をかなえる!」ことしかありません。
具体的には理想の暮らしができれば、特に無くてもいい部分を把握しておくこと。それは土地にいくつかの項目で点数と優先順位をつけておくことです。
そうすることによって予算内で納得、満足のいく家づくりを可能にしていきます。
気になる土地は60点の点数がつけられるならそこに決めるべきです。もたもたしているとすぐほかの人が買ってしまいます。

土地の評価方法は?

ロケーション(駅近、郊外)周辺環境など点数や優先順位をつけて、いよいよ予算にあった土地を検索します。
よさそうな土地が見つかったらその土地を評価する必要があります。土地の評価は実際にその土地にその価値があるかを見極めることですが難しいことです。
土地の評価の方法として価格、災害リスク、ライフライン、高低差、前面道路、建築規制、建築条件付き、近隣住民関係があげられます。

①価格→その土地の路線価や公示価格、相場で適正価格をチェックします
②災害リスク→ハザードマップなどで水害、地震、がけ崩れ、液状化リスクなどをチェックします
③ライフライン→電気、ガス、水道の引込状況をチェックします(水道引込はみは100万円近くかかることもあります)
④高低差→道路との段差があると、土留め(擁壁)や階段などの工事代がかかります
⑤前面道路→道路の属性(公道、私道など)建築基準法の2m接道などをチェックします
⑥建築規制→高さや日陰、防火、景観法などをチェックします
⑦建築条件付き→建築会社が決められているため理想の家が建たないこともあります(条件を外すためにお金を払うこともありますが数百万円かかります)
⑧近隣住民→人的なトラブルなどはないか?自治会やゴミ当番などもチェック
どれも大切なことなので、ファイナルアンサーの前に確認しましょう。e 暮らすホームでは調査のアドバイスもいたしますのでお気軽にご相談ください。

以上、少々長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は土地の購入に関するアドバイスをお届けしました。
土地探しは苦労することもありますが、そこは一生暮らす街ですので、しっかりとチェックして土地を購入しましょう。

省エネ建築診断士 二級建築士
e 暮らすデザイン設計事務所
齋藤 崇

 

 

 

 

 

 

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