「良い家」とは?住宅性能の何を見る? 省エネと耐震を考える家づくり

あなたが考える良い家ってどんな家ですか?

私は建築家として、日々いろいろな住宅を見ます。
大手のハウスメーカー、工務店の家、もちろん自社住宅も含めて比較したりもします。
気になるところがあるとホームページを見たりしてどんな家なのかなぁと想像を膨らませたりもします。
色々とみていくと「良い家」の条件はそれぞれの会社が考える良い家であることがわかります。
耐震、省エネ、エコ、健康、快適、安全、耐久性、資産価値、デザイン性など様々な条件があります。
それぞれの条件はすべてが大切なものですが、きちんと理解するのが難しい条件もあります。
そこで、今回はきちんと数値化出来て比較検討ができる性能値を良い家の条件と定義して、住宅性能を見ていきたいと思います。

家の性能は「住宅性能表示制度」で見ることができる

住宅性能表示制度とは、統一されたルールに基づき住宅の性能を評価、表示する制度です。  
この制度は、住宅の品質確保の促進法に関する法律(品確法)に基づき運用されています。
住宅性能表示制度は「設計住宅性能評価」「建設住宅性能評価」があり、
設計では住宅を建てる前に、建設では建て始めてから評価を受けます。
平成27年4月に省エネルギー基準の見直し、液状化に関する参考情報の提供、
選択項目範囲の見直しなど制度が見直されました。
(全10分野32項目から必須となっていた9分野27項目については4分野9項目となりました。
10分野はコラム気密性能と建物の健康をご覧ください)
必須項目は、住宅取得者の関心の高い項目で建設後では調査しにくい項目が対象で、
①構造の安定に関すること②劣化の軽減に関すること③維持管理・更新への配慮に関すること④温熱環境・エネルギー消費量に関することとなっています。

知っておきたい住宅性能

決して忘れることのできない東日本大震災から10年が経ちました。熊本地震でも多くの方が犠牲になりました。
100年に一度の大型台風も気候変動の影響で当たり前にやってきます。そのような環境下大事なのは住宅の強度です。
災害に強いこと(耐震性能)はこれからの家づくりには知らなくてはならない性能となります。

特に木造2階建ての耐震性能について知っておきたいこと(4号特例)

いつ起きてもおかしくない大地震。地震大国日本では、どの地域であっても家を建てるならその対策をしなければなりません。
基本的には建築基準法で定められている「耐震性能」を守らないと建築ができないので、日本の住宅は安心であると勘違いしている場面が多々あります。
消費者の方はともかくとして、建築に携わる実務者(設計者)が木造の2階建ては構造計算不要と勘違いしている場合があります。
(4号特例と言って、建築士が設計していれば確認申請時に構造計算書を添付しなくてもよい、すなわち構造に関して行政はチェックしません)
これについては確認申請時に、構造の安全性は審査が省略されているだけで、守るべき計算や仕様のルールにのっとりチェックを行うのが大切であることをまずしっかりと認識すべきです。

「住宅の品質保証の促進等に関する法律(品確法)」による判断基準となる耐震等級

耐震基準において押さえておく4つのポイントがあります。 
①建物は軽いほうが耐震性が良い
②耐震の要である耐力壁の量は、多いほうが耐震性が良い
③耐力壁や耐震金物は、バランスよく配置されていなければならない
④床の耐震性能(水平構面)についてもしっかり検討する
例えば建築基準法(耐震等級1)の場合、水平構面に関する計算は行わずに火打ちを入れるなどすればよく、プランによっては耐力不足になる可能性があるので注意が必要です。
住宅の性能表示制度による耐震等級は、「損傷防止」「倒壊等防止」という2つの目標が達成できるような構造躯体の強さが確保されているかどうかを評価、表示するものです。「損傷防止」とは数十年に一回は起こりうる地震に対し著しい損傷が生じないようにすることをいいます。「倒壊等防止」とは、数百年に一回は起こりうる地震に対して、損傷は受けても人命が損なわれるような壊れ方をしないようにすることをいいます。数十年に一度程度発生する地震は震度5強、数百年に一度発生する地震が震度6強から7に相当する、ということができます。
耐震等級は等級1から3までの3段階で評価され、等級2は等級1の1.25倍、等級3は等級1の1.5倍の強さと定義されます。各等級の定義を見ていきましょう。

 

耐震等級1(建築基準法の最低限の耐震性能)

等級1は条文を読み替えると「これ以下は危険」という耐震性能といえます。熊本地震のような震度7の地震では「倒壊しない」住宅ですが、「損傷は受けても倒壊しない」ということなので、住み続けるのは難しく、修復や建て替えが必要となります。熊本地震では余震でも震度7が発生したために、1回目に損傷を受けた住宅は倒壊してしまいました。

耐震等級2

等級1の1.25倍の耐震性能です。震度6強~7の地震でも、一定の補修をすれば住み続けることも可能なレベルです。
「長期優良住宅」の認定基準では耐震等級2以上が条件となります。災害時に避難所となる病院や学校等の建物など公共建築物の耐震性能がこれにあたります。
しかし、熊本の地震では等級2の建物でも倒壊が見られました。これは、建物の壁や柱の直下率(バランス)が原因と思われます。壁や柱のバランスが大切なことがわかります。

耐震等級3

等級1の1.5倍の耐震性能です。震度6強~7の地震でも、建物に対するダメージが軽度のため住み続けることが可能なレベルです。
災害時に防災の拠点となる消防署や警察署等の建物の耐震性能がこれにあたります。
耐震等級3の住宅は、熊本地震においても2度目の震度7の地震にも耐えていたことが報告されています。
今後必ず来ると予測される首都直下型大地震などに備え、等級3は必須な耐震性能と考えます。あわせて制震性能を付加することで
(e暮らすホームでは制震テープを標準化。最大で揺れを80%低減できる)より安心安全な家とすることができます。
耐震等級3の住宅は地震保険の保険料が50%OFFになるメリットもあります。

大切なのは災害後も暮らしを守ること

以上、耐震性能についてお伝えしてまいりました。
建築基準法 第1条(目的)では、「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資すること」とあります。
建築士の仕事は、「命を守る」ことと「健康を守る」ことであり、私たち建築に携わる者は、
災害後も心身の健康のためには安心して住み続けられる家をつくることが使命なのです。
ご家族の幸せを約束する家づくり、そのためにe暮らすホームは構造計算を行い耐震等級3の家づくりをお届けしています。
また、耐震については、地盤という要素も重要です。地盤についてもまたの機会にお届けしたいと思います。

 

省エネ建築診断士 二級建築士

e 暮らすデザイン設計事務所

齋藤 崇